甘くてフルーティな香りのマンダリンは、香水やケーキの香り付けとしても親しまれています。また、マンダリンの果皮を乾燥させたものは「陳皮」と呼ばれ、漢方薬や香辛料として用いられます。
日本では冬の果物として馴染み深い「温州みかん」や、「ポンカン」、「デコポン」などもマンダリンの一種です。
マンダリンの精油は作用が穏やかに働くため、子どもや妊婦さんも使いやすい精油のひとつです。フランスでは「子どものための精油」とも言われています。
柑橘系の果皮から抽出しますが、光毒性がないのも特徴です。
精油の基本データ
英名 | Mandarin |
学名 | Citrus reticulata(キトルス・レティクラタ) |
科名 | ミカン科 |
種類 | 高木 |
産地 | イタリア、中国、アルゼンチン |
抽出部位 | 果皮 |
抽出方法 | 圧搾法 |
香りのタイプ | 柑橘系 |
香りの特徴 | 甘くてフルーティな柑橘の香り |
ノート | ミドルノート |
代表成分 | リモネン (モノテルペン炭化水素類) ミルセン (モノテルペン炭化水素類) γ-テルピネン(モノテルペン炭化水素類) α-ピネン (モノテルペン炭化水素類) アンスラニル酸ディメチル(エステル類) |
こんな時におすすめ
- 明るい気持ちになりたいとき
- イライラしがちなとき
- 不安で眠れないとき
- 落ち込んで食欲がないとき
- おなかの調子が気になるとき
- 肌をなめらかに整えるために
- 妊娠線の予防に
注意点
- 敏感肌の方は注意が必要です
ブレンドにおすすめの精油
どのタイプの香りとも合わせやすいです。特にスパイス系のピリッとした香りが、マンダリンを加えることでマイルドになり使いやすくなります。
眠りのサポートにはマジョラムスイート、ラベンダーなどと合わせると良いでしょう。
お腹の調子が気になるときは、ジンジャーやコリアンダーとのブレンドがおすすめです。
マンダリンとタンジェリン
マンダリンと似たものに「タンジェリン」という精油がありますが、違いは何でしょうか?
簡単にまとめると、果実に次のような違いがあります。
収穫時期 | 種子 | 色 | 香り | |
マンダリン | 2月頃 | あり | 黄色~橙色 | 甘くてフルーティな香り |
タンジェリン | 11月頃 | なし | より濃い橙色 | マンダリンより弱くデリケートな香り |
植物学上は同一分類のCitrus reticulata種に属しています。
タンジェリンの精油も、マンダリンと似た作用を持っています。
また、マンダリンの精油の中でも「グリーン」「イエロー」「レッド」などと表記されているものがあります。これは精油を抽出するときの果実の熟れ具合によるもので、まだ熟していない「グリーン」はやや渋みのある香り、完熟後に抽出した「レッド」は甘い香りがします。
作用にそれほど大きな違いはないので、好みの香りのものを選ぶと良いと思います^^