マダガスカル語で「良い葉」という意味をもつラヴィンサラ(ラヴィンツァラ)。
アロマテラピーで使用され始めてからまだ歴史は浅いですが、その成分の特性から医学界からも注目されている精油の一つです。風邪やインフルエンザが流行っている時に一本持っておくと安心だとも言われています。
ホーリーフ精油の特徴でも書きましたが、ラヴィンサラはホーリーフと同じく学名「Cinnamomum camphora(キンナモムム・カンフォラ)」のケモタイプ です。
学名がCinnamomum camphoraの精油
- ケモタイプ 「リナロール」= ホーウッド、ホーリーフ
- ケモタイプ 「カンファー」= カンファー(別名:クスノキ(樟脳 ))
- ケモタイプ 「シネオール」= ラヴィンサラ
アジア産のホーリーフやカンファーに対して、ラヴィンサラはマダガスカル原産の樹木だけから採れる精油です。
ケモタイプ から分かるように「1.8-シネオール」という成分を多く含んでいるのが特徴です。
「1.8-シネオール」を多く含む精油といえばユーカリが有名ですね。ラヴィンサラもユーカリと似た働きを持っています。スーッとした清涼感のある香りも似ていますが、ユーカリと比べるとマイルドで優しさを感じる香りです。
精油の基本データ
英名 | Ravintsara |
学名 | Cinnamomum camphora(キンナモムム・カンフォラ) |
科名 | クスノキ科 |
種類 | 高木 |
産地 | マダガスカル |
抽出部位 | 葉、枝 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
香りのタイプ | ハーブ系 |
香りの特徴 | スーッとした清涼感のある香り |
ノート | トップ〜ミドルノート |
代表成分 | 1.8-シネオール(オキサイド類) α-テルピネオール(モノテルペンアルコール類) α-ピネン(モノテルペン炭化水素類) β-ピネン(モノテルペン炭化水素類) |
ラヴィンサラとラベンサラ
ラヴィンサラを購入する際に注意が必要なのが、ラベンサラと間違えやすいということです。
- ラヴィンサラ Ravintsara(学名:Cinnamomum camphora)
- ラベンサラ Ravensara(学名:Ravensara aromatica)
ラヴィンサラは数年前まで「ラベンサラ」と呼ばれていました。
「ラベンサラ」として流通していた精油のほとんどが、実際には「ラヴィンサラ(学名:Cinnamomum camphora)」の樹木から抽出された精油であることが判明したのです。
その一方で「ラベンサラ(学名:Ravensara aromatica)」の樹木から抽出された精油も存在するため、この二つが混同してややこしいことになっていたんです。マダガスカル語のRavintsaraをラテン語読みしたことが事の発端とも言われていますが…詳細は定かではないようです。
多くのメーカーで精油名と学名の訂正がされてきましたが、現在でもラヴィンサラ精油を「ラベンサラ」と表記して販売しているものもある状態です。
「ラヴィンサラ」と「ラベンサラ」。どちらもマダガスカル原産の樹木で見た目も似ているのですが、香りや効能が全く異なります。
購入の際は「学名」に加えて、「香り」や「成分」も確認するとよいでしょう。
ラヴィンサラ
学名:Cinnamomum camphora
香り:スーッとした清涼感のある樹木の香り
成分:主成分が1.8-シネオール
ラベンサラ
学名:Ravensara aromatica
香り:ハーブ調の中に甘さとスパイシーさを感じる香り
成分:主成分が1.8-シネオール以外(リモネンなど)
こんな時におすすめ
- 集中力を発揮したいとき
- 緊張をほぐしたい
- 興奮を鎮めたい
- 自分に自信を持ちたい
- 風邪や感染症の予防に
- 呼吸器系のケアに
- スポーツ後のセルフマッサージに
- 殺菌・抗菌に
注意点
- 敏感肌の方は濃度に注意しましょう
ブレンドにおすすめの精油
どのタイプの精油とも合わせやすいです。特に柑橘系がおすすめです。甘いフローラル系ともよく合うでしょう。
ラベンダーと合わせると様々な用途で活躍します。
芳香浴におすすめの精油です。ユーカリとブレンドしてお部屋に香らせれば、風邪や感染症対策の強い味方になるでしょう。