精油は直接肌につけられないため、キャリアオイル(ベースオイル)と呼ばれる植物油で精油を薄めてから肌に使用します。
キャリアは「運ぶもの」という意味で、「精油を体内に運ぶもの」という意味を持ってキャリアオイルと呼ばれています。
天然の植物から抽出したキャリアオイルはそれ自体にも栄養成分が豊富に含まれているので、単体で使用することもできます。
さまざまなキャリアオイルがありますので、肌のタイプや目的に合わせて選ぶと良いでしょう。
アプリコットカーネル
西洋アンズの種子から採れるオイルです。スイートアーモンド同様、もっともマイルドなオイルのひとつです。
オレイン酸、ビタミンA、Eを含みます。さらさらしていて非常に伸びが良いのが特徴です。フェイシャルトリートメントにもよく使われています。
使用する場合は、必ずアプリコット100%のものを選びましょう。チェリーの種子と混合されたものもありますが、アロマトリートメントには適しません。
酸化しやすいため、冷蔵庫での保管がよいでしょう。
ほぼ無臭
淡黄色
酸化しやすい
アボカド
アボカドの種子を冷搾したオイルです。
ビタミンA、B、D、レシチン、オレイン酸を多く含む、栄養価の高いオイルです。
粘性が高く、そういったオイルは肌にあまり浸透しないのですが、アボカドオイルは濃厚にも関わらず浸透性が高く、肌をしっとり柔らかく導きます。
比較的酸化しにくいです。低温で濁ることがあるので、常温保存がベターです。
単体では濃厚すぎるので、他のオイルに20%程の割合で加えるとよいでしょう。
熟した果実のようなやや強い香り
濃い緑色
比較的酸化しにくい
オリーブ
オリーブの実から採れるオイルです。食用ではなく、肌に使う目的として販売されているものを使います。専用に脱臭・脱色されています。
オレイン酸、ビタミンEを多く含み、浸透力に優れています。
すべりが悪いので、全身トリートメントに使う場合は、他のさらっとしたオイルに混ぜて使うとよいでしょう。オリーブオイルを10%程度にするのがおすすめです。
オリーブ特有のフルーティな香り
淡黄色~淡緑色
酸化しにくい
グレープシード
ブドウの種から抽出されるオイルです。さらっとしてべたつかないのが特徴です。
リノール酸が主成分でやや酸化しやすいです。
どの肌タイプでも使えますが、さらさらした肌触りですので、脂性肌や敏感肌に合うでしょう。
ほぼ無臭
淡黄色~黄色
比較的酸化しにくい
スイートアーモンド
アーモンドの種子から採れるオイルです。マイルドで使いやすく、もっともポピュラーなオイルのひとつです。
比較的酸化しにくいですが、常温より冷蔵庫保管がベターです。
低刺激なので、すべての肌のタイプに適しています。オレイン酸、ビタミンA、B1、B2、B6を多く含み、うるおいを与えます。
ほぼ無臭
無色
比較的酸化しにくい
ナッツアレルギーの方は使用NG
セサミ
ゴマの種子から採れるオイルです。食用ゴマ油ではなく、肌に使う目的として販売されているものを使います。
アーユルヴェーダで有名で、インドでは乾燥や太陽光から肌を保護するためのオイルとしてよく使われます。
セサミンなど、ゴマ特有の抗酸化物質が豊富です。
他にもビタミンA、B、E、カルシウム、マグネシウム、オレイン酸、リノレン酸など、たくさんの栄養素を含んでいます。
ほぼ無臭
淡黄色
比較的酸化しにくい
ホホバ
他のキャリアオイルとは違い、ホホバオイルは液体ワックスです。ホホバの種子から採れます。
人間の皮脂に近い成分なので、浸透力に優れていて肌なじみも良いです。
10℃以下でゼリー状に固まりますが、手などで温めると元に戻り、変質もしません。ほとんど酸化しないので長期保存もできます。他のキャリアオイルとブレンドすることで酸化防止の役目にもなります。
ステアリン酸を多く含みます。すべての肌タイプに合うでしょう。
ホホバオイルには「精製」されたものと「未精製」のものがあり、「未精製」のものから色や香り、一部成分、不純物を省いたものが「精製」となります。
「未精製」のほうが栄養価が高いですが、まれに肌荒れを起こす場合があるので、敏感肌の方は「精製」されたものを使用したほうがよいでしょう。
無臭
精製:無色、未精製:黄色
ほどんど酸化しない
マカダミアナッツ
マカダミアナッツの種子から採れるオイルです。
加齢とともに減少していくパルミトレイン酸を含むため、フェイシャルトリートメントにもよく使われています。ビタミンA、B、Eも含みます。
浸透性に優れていて、熱に強く酸化しにくいのも特徴です。
微かにナッツの香り
無色~淡黄色
酸化しにくい
ナッツアレルギーの方は使用NG
ローズヒップ
バラ科のドッグローズの実から採れるオイルです。
非常に酸化しやすいため、冷蔵庫での保存が必須。
美容への効果は抜群で、天然の美容オイルとも言われています。
α-リノレン酸が豊富で、フェイシャルトリートメントでよく用いられます。ビタミンCも多く含みます。
光毒性があります。日常生活程度の紫外線で光毒性の影響を受けたという報告はないそうですが、気になる場合は、日中は避けて夜に使用しましょう。
やや強めの油っぽい香り
黄金色
酸化しやすい
小麦胚芽
小麦の胚芽から採れるオイルです。どろりとした重さと香ばしい香りが特徴です。
ビタミンEがとても豊富です。
粘度が高いので他のキャリアオイルに10%程の割合で加えると良いでしょう。酸化防止剤としても役立ちます。
胚芽特有の香ばしい香り
琥珀色
酸化しにくい
小麦アレルギーの方はNG
月見草
月見草の種子から採れるオイルです。
γ-リノレン酸を多く含みます。
非常に酸化しやすいため、開封後は冷蔵庫で保管して早めに使い切りましょう。
ややクセのある香り
淡黄色
非常に酸化しやすい
椿(カメリア)
椿の種子から採れるオイルです。
オレイン酸が豊富で肌への浸透力に優れています。
日本では昔からヘアケアに使われてきました。髪や肌を紫外線から守ります。
ほぼ無臭
淡黄色
酸化しにくい
まとめ
以上、キャリアオイルの特徴についてご紹介しました。
他にもたくさんの種類がありますが、今回はよく使用されるものをピックアップしました。
スイートアーモンドオイルが安価で使いやすいので、最初に買うならこれが良いと思います。
ホホバオイルもおすすめです。こちらはスイートアーモンドオイルよりやや高価ですが、長期保存できるし、ヘアケアにも使用できるので買っておいて損はないと思います。
まずは少量を購入して使用感を試してみるのもいいかもしれません。